愛犬家はどこに・・・

 ある有名歌手と10歳になるラブラドールレトリバー犬との楽しい日々がつづられた写真つきの大きな記事の下に、「麻酔剤リサイクル」の小見出しが。あまりに不釣り合いな文字の羅列に、視覚がすこし混乱した。ある日の夕刊のペット欄のことだ。(「東京新聞」3/30)
 読めば、山口県下関市の「動物愛護管理センター」が、苦痛の少ない動物の安楽死の方法として、従来の炭酸ガスにかえて、麻酔剤を用いた方法を導入するとのこと。麻酔剤は高価だったが、それをリサイクルすることで、コスト面の課題をクリアできたと伝えている。編集担当者は、これも動物「愛護」の精神にのっとった行動なので、ペット欄に載せたのだろうか。
・・・以前テレビ映像で、ペットの「処分」過程を見たことがある。檻の中の壁が、ボタン操作で移動し、犬を一か所に集める。そこでガスが注入される。そして焼却される。職員の心労をさけるために、全自動で行われるシステムになったと、画面では説明されていた。・・・
 世の「愛犬家」などという存在は、この二つの記事をどう読むのだろうか? まさか「気付かなかった」では、済まされまい。