竹槍の足元を思って

アジアの東のある国は、資源も少なく、工業も弱く、それでも軍隊だけが大きくなり、いつも「戦争国家」となっていました。しかしその自慢の軍事力も世界的に見れば貧弱で、戦車や飛行機を動かす油はすでになく、そのころ世界一の軍事大国の兵器と比べれば、まるで、大型爆撃機と竹槍が争うようなものでした。
 それでも、いつか攻めてくるかもしれない大国を驚かそうと、国民を動員して今までにない大きな竹槍をつくりました。その竹槍は、空に上がり、隣の国の頭の上を越えていき、その国の心配性の人たちを多少驚かせましたが、結局は海に落ちただけでした。
 落ちてしまったにもかかわらず、人々はその大きな竹槍は天をついたと喜びました。本当のことを知らされていないのです。そして、この先も、まだまだ戦争状態は続くというのです。
 人々には食べ物もなく、生活も貧しいままです。でも、その軍隊は、竹槍をつくり続けるそうです。そのたびに、人々の生活はひどくなっていきます。
わたしは、そんな人々がかわいそうで仕方がありません。どうにか、助けてあげられないでしょうか。軍隊に苦しむ姿は、私たちの祖先の姿とそっくりなのです。