わたくし貧乏卿は、貧乏なゆえに旅をするにしても、青春１８キップを使うことが多い。なにせ東京→大阪＝９時間の世界である。日本は広いなあと思う。
各駅停車を乗り継いで旅をする。ローカル線だと次の列車は２時間待ちというのもざらにある。腹が減れば、駅前商店や駅前食堂を利用し、意外な味に出合うこともある。これも旅のひとつの醍醐味である。
思えば、Ｂ級グルメブームの火付け役は、「富士宮焼きそば」あたりであったか。富士宮と秋田県横手の目玉焼き入りの焼きそばの対決あたりから、今日のブームに至ったと記憶している。富士宮に横手、どちらも地味な町である。
私はどちらも現地で食べたことがあるが、味的には、取り立ててどうということもないが（なにせ数百円の料理だもの）、どちらも市井の普通の食堂が舞台というのがいい。
遅く行けば日本は広い。そしてまた別の味に出合う。味覚的な広さも実感できる。地域をささやかながらも活性化し、ますます日本を広くする妙案である。
