ミャンマーのサイクロン禍から一年

 グローバル化=悪という図式を取りたくなる今日この頃ですが、アジアにはグローバル化に背をむけている国が、少なくとも二つあります。ひとつは北朝鮮で、もうひとつはビルマつまり軍政のミャンマーです。どちらも軍人がのさばっているあたりは共通項がありそうです。ミャンマーはちょうど一年前サイクロンに襲われたいへんな被害を出してしまいました。
 もしビルマが民主的な体制を保っていて、グローバル経済に参加していれば、台風であれほどの被害は出なかったのではないかと今でも思います。
 むろんグローバル化はいい面ばかりではありません。多国籍企業は理不尽ですし、環境は悪化し、古い文化は破壊されます。また観光客のなかにはよくない目的をもって来る人もいることでしょう。それは、隣国のタイを見ればわかります。
 でももしグローバル経済に入っていたのなら、もともと勤勉で真面目な国民性ですから、大きく経済発展し、今ごろは各家庭にはテレビやらインターネットやらが普及し、道路や堤防などの社会資本も整えられていたことでしょう。首都ヤンゴンは激しく渋滞し、その対策として地下鉄か新交通システムの一本ぐらいできていて、また成田からの直行便も毎日飛んでいたかもしれません。メイドインビルマが、日本の100円ショップや冷凍食品売り場に並ぶのと同様にして…。
すくなくても自然災害で、あれほど多くの人が死に、いまだに世界的な救援もままならないということにはならなかったはずです。それを思うと、グローバル化もあながち悪とは決めつけられないということも確かです。