定額給付金の支給に始まる、高速1000円乗り放題、家電エコポイントなどのなりふり構わぬ政府のばら撒きも、秋にはひと段落するだろう。いわば、祭りの終わりである。その時、日本経済はどうなっているだろうか。
この不況に懲りた製造業は、工場の海外移転をますます進めるだろう。それにともない地方経済はさらにひどく疲弊するだろう。
そして、あとに残されたものは膨大な財政赤字である。財政の悪化と増税の足音は、人々の購買意欲を減退させ、内需と個人消費は一層縮小するだろう。
だが、なにも絶望することはない。日本の現状なんて本来こんなものなのだ。輸出で潤ったはずの2000年代の好況など、大半の人々にはなんの恩恵もなかった。そもそも、輸出で儲けるなどという発想自体が、途上国型の経済運営なのであり、遅かれ早かれ行き詰まるのは目に見えていた。
輸出を終えた後期近代国家というものは、どこもこのある種の「衰退」を受け入れなくてはならない。だから、衰退の仕方というかその方法が課題となる。衰退が、格差の急激な拡大や生活破壊を招かないために…。
社会の仕組みを改める必要がある。それには、大規模な予算の組み替えが不可欠である。乏しい財源を、いかに個人の生活と地域社会を維持する方向に集約できるかがカギとなろう。
さあ、祭りのあとをどうするか??