女性も子どもも年寄りも…。

 元気な高齢者は働くべし…。どこかの首相はのたまったらしい。働けるぐらい元気なことは、感謝に値することだろうが、それが賃労働となるとすこし事情が変わってくる。 
 私も働ける人は働くべきだと思う。だが、それを賃労働に限定する必要はない。家事や育児の手伝いや、庭仕事・親類縁者の世話焼きだって立派な労働である。
でもそれでは残念なことに1円にもならない。少ない年金では生活できないので働かせてほしいというのが、働く年寄りの主張であろう。裏を返せば、年金は増やせないので、働いてほしいというのが、政府の考えということになる。
別に女性や高齢者の社会参加を拒む理由はなにもないが、貧困であるがためにより多くの現金収入を求め、労働市場に殺到するのであれば、これは悲劇というよりほかにない。女性も老人も子ども(高校生)までも、賃労働を強いられるのは、貧困の裏返しでもある。貧困問題を社会参加という美名で覆い隠してはならない。