懐かしい母親姿をみて

 いやー懐かしかったですね。先日地上波で昔のドリフターズのコントを放映していました。私も「全員集合」世代なので楽しく拝見しました。軍隊のコントなど〈昭和〉を感じましたけど、もうひとつ昭和を感じたのは、いかりや長さんの母親の姿です。あの頃の母親って、ああして始終「勉強しろ!!」って怒っているイメージでしたよね。だからこそ、志村のケン坊のサボリといたずらが、子どもたちの共感を得、また同時に大人たちの眉をひそめさせたのではないでしょうか。
 翻ってみれば、最近は…。親は忙しくて子どもの面倒をみる暇がない。その代わりにお金を払って子どもを塾にやる。そうした傾向が多く見られますね。いわば親や家庭の仕事を、塾に外部化(アウトソーシング)しているということになります。だから親御さんは子どもを叱るかわりに、学校や塾に要望なり苦情なりを多く寄せるようになっています(下手をするとモンスターなんとかになります)。熱心な親御さんは時に迷惑を生むこともありますが、これも子どもに関心を払っていることの表れでもあります。塾に通える子どもは幸せです。
 一方で深刻な事態が起きつつあります。親は今まで以上に忙しく、しかも子どもを塾に通わせる金銭的余裕もなくなりつつあります。それにそもそも子どもの学習状況や将来に関心を払う必要性を感じない親も増えているようです。
子どもにとっては、親や社会から放っておかれているわけです。子どもというものは、親や教師といった大人が関わらなくてはなかなか育たないものです。この新手のネグレクトが、子どもをやがては社会を荒廃させようとしています。親が忙しいなら近所の人でもかまいません。誰かその子に「勉強したの?」と言っていただけませんか!!