過去を検索!!

 ネット上のホームページにしろブログにしろ速報性と現在性に優れているメディアだと言われています。最近ではわずか140字のツイッターも出現し、その傾向はますます強まってきたように思えます。それらは常時更新されるため「過去」はなく、いわば「現在形」の世界であり、特に後者などは「現在進行形」の無限連続とでも言えるのではないでしょうか。
 そうなるとネット上はもとより日常生活までもが常に新しくしかしますます薄っぺらな情報によって埋め尽くされているわけで、過去に向き合うことなどとうてい出来ないように思われます。
 でもなんというか、某有名動画投稿サイトを使うと2〜30年というスパンではありますが結構容易に時代を遡ることができます。むろん投稿サイトゆえ、たいして「高級」な事実には突き当たりはしないのだけど、昔のCMなり音楽なりに再び向き合うことができます。
それらは現代史の瑣末な断片や細部でしょうが、個人レベルではそういう些細な物事の方が、教科書に載るような大きな事件や変動よりも、ある種のリアリティーを持っているのではないでしょうか。
 しばし自らの来し方について思いを馳せましょう。自らの来し方を思い起こせば、必然的にこの国の来し方についても思い及ぶことにもなるのではないでしょうか。我々はいまどういう位置にいるのかが、過去との対話により少しはわかるというものです。また検索が容易なのでお仕着せのアーカイブスを見るより結構主体的に過去に関わることができます。
 ネットが現在ではなく、過去をもたらしてくれる貴重な例と言えるのではないでしょうか。