20年前に発せられた投壜通信が突然世界に届いたと言ったところでしょうか。劉暁波氏の平和賞受賞は。その間中国はめざましい経済発展を遂げ、今やGDPは世界第二の経済大国に。欧米や日本が経済危機に苦しむ中、世界経済は中国頼み・中国詣でという状況が続いています。
でも、中国国内を見る限り自由や人権といった分野は20年前の天安門事件の頃となんら変わっていない…。そのことを、改めて想起させた今回の受賞でした。(受賞後の対応も)
中国との経済交流と相互依存はかつてないほどの高まりを見せてきました。経済的な相互依存が新たな政治的な枠組み(例えば東アジア共同体のような)を作る段階となりえるか、それとも軍事的緊張を高める方向に行くのか、ここ数年がその岐路となりそうです。
それは中国が政治的自由や人権をどれだけ受け入れるかにかかってきています。中国指導部の知恵ある判断に期待するしかありません。すでに衣食は足ろうとしています。さてその先をどうするか…。
その判断如何では、経済のグローバル化の時代は、結局は新たな軍資金の調達期間に過ぎなかったという歴史家の判断を仰ぐことになるかもしれません。○○リスクは何も中国には限らないのです。今回その試金石が20年ぶりに再び中国に投げかけられたというべきでしょう。