3月31日・木曜

 有名プロゴルファーは今年のツアーの賞金を全額寄付すると言う。本業が1年間無収入になるのだから、大した決断である。義援金はそれなりに集まっているようだが、1億人が1万円寄付しても1兆円にしかならない。復旧と復興と生活支援には50兆はかかるだろう。あとの49兆はどうするのか。結局増税によって全国民から取り立てることになる。もっとも私にはその覚悟はとうにできていた。
というのも、この震災の直前西日本へ行ったのだが、それは今までの贅沢な暮らしと決別しなくてはならないという私なりの覚悟の旅であった。贅沢と言っても個人的なものではなく、国民が低い税金で大きな行政サービス(かなりの無駄が含まれているが)を受けるという意味でのことである。財政破綻すれば国民生活は大きく破損する。そうなる前の平和で豊かな時代の最後を楽しむつもりで旅に出たのであった。結果的に、出かけて行った方向は逆であったが、帰宅直後の震災によって日本の国家財政の終わりは相当早くなってしまった。
電気が今までのように使えなくなるのが象徴的であるが、増税によって今までのようなお金の使い方はできなくなるし、品物もサービスも今までと同じ値段で買えなくなる。間違いなく苦しい時代になる。日本の財政状況を見れば、いずれ(恐らくあと2-3年で)そうなる危険にあったが、震災はその破局を随分と前倒しにしてくれたのである。
軽油不足のため減便されていた路線バスは平常運転に戻った。だがお客が戻ってこないと、バス会社の運営は苦しいだろう。地下鉄も定期外のお客は3割も減ったそうである。