5月4日・水曜

 原発事故に備えて100億もかけて作った機械があったそうである。放射性物質の流れて行く方向を予測する計算機械でその名はスピーディ。どうも政府はその深刻な予測結果を見せたくなかったとみえて、ひと月半たってのようやくの公開となった。予測の通り30キロも離れた村の汚染具合はかなりひどいらしい。
確か被災者の住宅再建には300万円が支給されるはずである。むろん300万円では家は建たないが、この制度とて阪神大震災の頃にはなかったはずである。当時の政府には社会党も入っていたと思うが、私有財産には公的な支援は一切しないの一点張りであったと思う。その後被災者たちの熱心な働き掛けで現行の被災者生活支援法が出来たと記憶しているが、当時と比べると今の日本は随分と福祉国家化したものだと思う。それ自体はよいことだと思うが、財政も国際競争力も子どもの学力も15年前とは比較にならないほど悪くなっている。それに被災地はコンクリートの公共財も失ったし、人への支援も必要となるとどこからその原資を持ってくるか…。増税に加えやはりどこかを削ってくるしかなかろう。そうなると、全国的な人への支援=子ども手当てを削るのもやむを得ない話である。目玉政策の転換は残念であるけれども。
原発にしろ沖縄にしろ財政悪化にしろ大半は旧政権党のツケである。つくづく現与党は(運を)持っていなかった…などという言い方も可能かもしれない。それにあの与党内の政争を見ると、新たな運を引きこむということもなさそうである。一日晴れ。少し伸びてきた庭木を切るなどして過ごす。