5月16日・月曜

 一日薄曇り。気温高め。政府関係者は今度は三号機の方が心配だと言い始めてきた。残った核燃料の過熱を防ぐためホウ酸水を注入するとのこと。まだまだ危険な状態である。なお一号機は津波の後およそ16時間で炉心溶融を起こしていたと今ごろになってデータが公開される。ということは11日の深夜から翌未明にかけて、首都圏の大勢の勤め人が、携帯電話が繋がるの繋がらないの、電車は動くの動かないのと駅員に詰め寄っていた頃には、すでに大方の決着が付いていたことになる。また非常用復水器の操作を誤り溶融を速めたとも指摘されているが、今になって言われたところでますますどうしようもない。あの時ああしておけば…的な仮定法過去完了の反省は、事故の再発防止には有効だろうが、事故が取り返しのつかない規模の場合はただ虚しいだけである。
 東電社長のあまりの高給ぶりが非難されている。創業者でも再建請負人でもなく、安定的にして独占的に「公共」料金をいただく企業としてはやはりもらいすぎであろう。この国はいつからそんなに給料が上がる国になったのだろうか。一般的には給料は下げ放題になっているというのに。社長やその他役員は毎日毎日国会なり避難所なりに呼ばれていて、せめて給料分は怒られていると言った様相だが、むろん被害の規模は一企業の補償能力の範囲に留まるものではない。原子力発電の連帯保証人は当然日本政府ということになるであろうが、そもそも原子力はなぜ導入されたのであろうか。なぜこんなとてつもないないものを…。空前の事故を絶後にするには、原発そのものをやめるべきである。
午後出社。給料が下がり放題になった挙句、年中遅配欠配している身としてはおつまみ一品150円の立ち飲み屋はありがたい。しきりにありがたがっているうちに帰宅は深夜となる。