5月19日・木曜

大潮が近いらしく地震によって地盤が沈下した地域は海水の流入に悩まされている。石巻などは数十センチも沈下したそうである。しばらくすれば修正力が働いて復原すると言うがそれがいつになるか分からない。とりあえず仮の防潮堤を築くしかないのだが、対策には時間がかかるようである。
通常地盤沈下は地下水の過剰な汲み上げによる公害の一つとされている。随分前から地下水の利用は規制されているから実際の沈下は少なく、地盤沈下という言葉は比喩的な使われ方しかされて来なかったと思うし、地震による広範囲の沈下を見るのも恐らく初めてのことである。見るにつけて何だかこのまま日本の経済も社会もどんどん沈下して仕舞には沈没してしまうのではないかと心配となる。やはり不吉な直喩となっている。
参議院の議長は震災への対応がなっていないと再三再四首相に文句を垂れていたが、とうとうある新聞に何もかもダメと寄稿して述べた。しかしそれらの指摘にはまるで具体性がない。彼の議長は同じ政党出身であっても思想信条には相当な隔たりがあるので、個人的な恨み節の域を超えることはなさそうである。方方の怨恨を掻き集めて倒閣に成功したとしても、次に成立した内閣の政治的正統性に最初から傷がつくことは避けられない。こんな簡単な方程式が解けないのだから政治家と言うのはお気楽な仕事である。午後出社。一日晴れて気温高め。退社後どこにも行かずそのまま帰宅となった。閉店間際のスーパーで半額の惣菜を買い二本松のお酒を飲む。