8月22日・月曜

第一原発から3キロ圏内は長期に渡り立ち入りを制限することになるようで、政府は当該地域の土地の借り上げもしくは買い上げを検討するという。恐らく数十年単位のものになるだろう。その他の20キロ圏内の立ち入り制限は来年にも解除の方針と伝えられるが、それまでにどの程度の除染が可能なのかは定かではない。縦しんば解除されても元の通りに往くはずもない。
 こうなると持ち家も定職も田畑も先祖の墓も却って足手まといなだけの無用のものである。いっそ身一つの借り住まいの方がさっぱりとした顔で移住できるに違いない。故郷の喪失は近代社会の普遍的経験であるなどとものの本には書かれているが、其れが極端な形で起きたのである。だが思えば、東京などはそうした喪失者や脱出者を集め発展してきた都会である。そして東京の為の電気を作る「東京」電力の発電所で、かのような事故が起こり、住み慣れた地を奪われると云うのは気の毒極まりない。やはりあのような施設は都会の中心に造っておくべきであった。それが出来ないというのなら、そのような発電方法は断念すべきであった。
 午後出社。今朝も涼しくよく寝られたが、夏期講習と夏の暑さと旅とお酒の疲れが出たのか幾ら寝てもまだ眠い。ようやく三コマ目には調子が出たが直後には授業終了となる。両家人とも留守で猫が心配なので飲まずに帰宅。