11月12日・土曜

事故後の第一原発に報道機関が初めて入った。今までは映像と云えば関係機関が撮影した物か、作業員が隠し撮りをした様な物しかなかった。只取材とは云うものの、安全に考慮した結果、専用バスに乗ってひと回りしただけで特に目新しいものはなし。第一原発では今でも3000人が後片付けの為に働いていると言う。
午前中は晴れ。午後から曇りがちになる。気温は20度を超え暖かい。部分暖房を強化すべく電気炬燵を数年振りに引っ張り出し居間の中央に据え付けた。洋間に炬燵は貧乏ったらしいと云う事で此の処はお蔵入りだったが、今年は活躍してもらおうと思う。
その作業の合間合間に職業野球を観戦。各各のリーグを制覇したチーム同士の優勝決定戦だが、今年は震災の影響で二週遅れの開催である。相手チームの偶像は白い犬だから、対抗して此方は白猫を抱いて応援する。両前足を操られ勝手に手拍子を打たれてシロは迷惑そうな顔をしていたが、暫くは犬の様に大人しくしていた。
犬がいいか、猫がいいかは、長年結論の出ない論争だが、犬と猫を両方飼った経験から云えば、猫の飼い主の方が概して高級であると云える。犬は飼い主に合わせるが、猫は飼い主が合わせなくては懐かない。三日の恩を忘れない犬を可愛がるのは云わば順接の接続詞の用法と同じで、御恩を色色と与えても一向に素気ない猫を可愛がるのは逆接の用法である。文章でも人間でも逆接の方が複雑で面白みがあるのは云うまでも無い。