12月21日・水曜

曇り時時晴れたが日中でも10度に届かず。国は東京電力の発行株式の大半を買い取り、実質国有化するとの方針を示す。賠償金の支払いと数十年にも渡る廃炉作業の経費を考えれば、既に債務超過であるから仕様がない。原子力発電の連帯保証人は日本政府だから、税金の多額投入も避けられないだろう。東電社員の給与も公務員並みになるだろうが、それでも相当な高給取りである。二昔前の刑事ドラマを見ると、安い給料で命を張っている云云と刑事がぼやくシーンが必ずあったものが、官民の給料は此処二十年で逆転したから、最近はそういう事は聞かない。我が貧乏学院は命に関わる様な勤務は無いが、実質的には常に債務超過である。いっそ国有化してくれると助かる。この年齢で公務員への華麗な転身が果たせる。
午後出社。生徒向けの年賀状を一気呵成に書いて出す。退社後は立って飲んだ。割と早めの退店だったが、まだ11時過ぎだというのに駅前広場には誰もいない。大概この時間には、お行儀の良くない若者と四六時中お酒を飲んでいるお年寄りが屯している筈だが。道端を行き交う勤め帰りの酔客も少ないと感じた。
寒さのせいで皆家に閉じ籠れば、街頭の暴力沙汰は大部減るだろうと思った。だが、世の中の暴力の総量というものが季節に関係なく存在するとしたら、今頃は家庭内の暴力が増えていることになる。彼方此方の家から物を壊す音や家人の悲鳴が聞こえてきそうだが、幸い最近の家は気密性が良くなっているから外は至って静かである。