一日晴れ。気温も上がり文字通りの春となる。午後出社。世の中には色色な天才がいるが、丁度40年前の今頃に群馬県の山荘に立て籠もった集団の指導者は、他人の欠点を見つける天才だったと言う。通例何某の天才と云う表現には、何処かしら揶揄するような感じが付き纏うものだか、それにしても、嫌な天才だと思った。こういう人物が上に来られると下下の命に係わる。何事にも始末が良くない私など、あっという間に穴に埋められてしまうに違いない。
処で西の青年将校は公務員の服務規定を詳細に定め、違反者を見つけ次第懲戒処分にするらしい。丸で昔の配属将校である。誠に頼もしい限りである。是非今度貧乏学院の玄関に立たせて、御行儀の良くない子どもを片端から叱り飛ばして欲しいものである。それにしてもこの配属将校を何処まで出世させるべきであろうか。感情的に人を罵るだけで果たして将たるに相応しい器を持っているのか、今少し考えてみるべきだと思った。勘違いの挙げ句くれぐれも下駄を冠に頂く様な事のないようにしなければならない。退社後は金曜会に出た。飲んでいる内に寒気が入ったらしく、帰る頃には雨が降り出し割と濡れて帰った。