8月30日・火曜

識者のなかには、事故を起こした第一原発の原子炉は最も古い第一世代で、最新の第三世代の原子炉は水素爆発も電源喪失による炉心溶融も起こさないと、したり顔で述べている者がいるらしい。それはそうであろう。私は飛行機には詳しくは無いが、例えば第一世代のジェット機ボーイング707と、最近の777では安全性は格段に違うであろう。技術の革新とはそういうものである。
今回のような事故はもう起こらないだろう。一応それなりの対策は進みつつあるから。だが、次の災害が同じようにやってくるとは限らない。直下型の地震の直撃を受ける危険は依然として残る。地震の揺れで原子炉そのものが壊れたらどうするのか。
それに地元の人人の反対を押し切ってまで原子炉を造ったり、運転したりすべきではない。さらに放射性廃棄物の処理に関しては長期に渡って保存する以外の方法がない。それらはやはり何処かの地域に押し付ける事になる。私は、そういう発電方法は不誠実であるということを云いたいのである。無論出来る事なら全ての原子炉を直ちに止めるべきである。廃炉に何らかの時間差を設ける必要があるならば、当然古い原子炉から廃止にすると云う事にはなるであろうが、だからといって最新の原子炉を維持せよと云う事には断じてならない。もう誰かの犠牲によって成り立つ、平和であるとか、繁栄であるとか、電力の安定供給と云うものを断じて拒否しようではないか。原子力発電の可否は確率論や技術論に留まる話ではない。即ち倫理の問題である。
火曜不出社。日中は32度程度になりかなり暑かった。家人は晩食にと牛肉を買ってきたが、焼いて食べるとゴム長の底を噛んでいるようでちっともうまくない。聞けば国産の四等であると言う。四等とは三等にもならない酷い肉だと思ったが、牛肉は五等が最高なので上から二番目の等級であると言う。おかしな話だ。列車も夜空に浮かんでいるお星様も宝くじの当選金もあらゆる等級というものは一等が最高である。それが転倒した等級をつける事からして牛肉の格付けは出鱈目であると思った。夜から断続的に雨。台風接近の為だと言う。ここのところ台風が来なかったから何だか今年は当たり年の様で心配になる。