2009-01-01から1年間の記事一覧
バブル崩壊以後の国の借金の増え方は、実にたいへんなものがあった。20年前は200兆だったものが、今は600兆。実に3倍である。この間景気対策という側面で公共事業に予算を使い続けてきたわけだが、来年度の予算は軽く90兆を超え、それでも少ない・増やせの声…
普天間基地の移設先を再検討するという問題に端を発する今日の諸問題は、対米追従外交=日米安保体制を見直す好機となりえるだろうか? しかしながら、新政権=民主党にそこまでの覚悟と構想力があるかどうかは、まったくもって不透明である。 もちろん私自身…
現代社会が生産と消費を基調としたある種の全体主義に近いということに、議論の余地はなさそうである。人びとは、労働イコール生産というシステムに組み込まれ、そして消費させられている。 全体主義と聞くと、軍事国家が想起されるかもしれないが、「ここに…
日本の人口は減少しており、特に労働力人口は将来とりわけ不足する…、と一昔前にはさかんに言われたものである。また団塊の世代の大量退職により、(今ごろは)労働力不足は一段と深刻化し、いずれ大量の外国人労働者を受け入れざるを得ない・・とも言われた(…
某刑事事件の被疑者が逮捕されたが、この日本社会において、(恐らく)なんの後ろ盾もないまま、よく2年あまりも逃亡できたと思う。 彼は1年以上も、大阪の建設会社で寮に住み込み、(恐らく)彼の人生で一番まともに働いた。どうして誰も気づかなかったのだと…
普段は鉄道(しかも在来線)を使う私でも、たまには高速道路で移動することもある(主に高速バスだけど)。SAやPAに寄れば、必ずと言って食うものがあって、それはアメリカンドッグである。 高速道路とは現代における人工物の頂点の一つであろう。新幹線は街に駅…
「コンクリートから人へ」が、新政権のスローガンであるという。立派な目標だが、急にこれをやられると、人びとはかえって困る。地方での公共工事は削減の一途をたどり、第一次産業への転職もはかどらないようである。したがって、今日中継ぎ的なパブリック…
新自由主義路線が破たんした今日、軸は再び、社会や絆や連帯を求める方向にシフトしてきたように思える。そこで「共生」という言葉が、左派・リベラルはもちろん、新政権・新与党といったところからもよく聞かれるようになった。 共生の反対語は自立というこ…
個人商店や商店街の衰退が言われて久しいが、なかでも真っ先に衰退したのは豆腐屋ではなかろうか。統計資料によると、昭和40年ごろには5万軒近くあったものが、現在1万軒余。減少率7割である。別に日本人が豆腐を食べなくなったという話は聞かないから、…
私は高校現代文の授業も担当しているのですが、授業以外に本はおろか新聞すら読まないような生徒たちに、どうやって文章の読み方を教えるのか、毎回苦心しています。現代文は教えようがないとよく言われますが、大学に行けばやはり座学が中心ですし、社会人…
テレビはあんまり見ないのですが、ケーブルテレビ経由で昔の番組はよく見ています。「特捜最前線」とか「銀河鉄道999」とか。つまり、テレビの中は80年代でいっぱいというわけです。(またパソコンでは某有名動画投稿サイトで昔の音楽ばかり聴いてしまいます…
夏の終わりに憂鬱なことを考えながら自転車に乗っていたら、警察官に呼び止められた。まるで、憂鬱な顔と憂鬱な思想を取り締まる、「憂鬱」警察があるかのごとき絶妙なタイミングであった。出勤途上の白昼の住宅街のことである。 よくある自転車の防犯登録チ…
教育格差の話が出ると半ば条件反射のように、東大入学者の親の平均年収は1000万・・・といった話が出てくる。しかしいくらお金をかけたところで誰もが東大に入れるわけでもなかろう。 私は塾で教えているが、勤め先のような小さな地域塾は、公立中学の中間・…
行きつけというほどではないが定期的に行く居酒屋が何軒かはある。どこも老夫婦でやっていたりご婦人一人でやっていたりと、ささやかな小商いである。店主たちは、客が少なくなったと嘆く。昨年来の経済危機の影響であろうか。 お客のなかには公務員もいるだ…
同じように学校に通い同じように勉強して大人になっても、世代によって大きく違いが出てしまうのは、当事者にとってはたいへん気の毒なことだと思います。時代の流れというものは、個人の努力など簡単に吹き飛ばしてしまうのですから…。 特に、現在35歳前後…
政権交代が実現しました。これから官僚主導の政策決定から、国会議員中心の政策決定に方向転換しなくてはなりません。なかなか容易ではないと思います。新・与党には、政治経験ゼロという新人議員も多く、一体何ができるのかと不安と不信の声も聞かれます。 …
某国の世論は、いまだに原爆投下を正当化しているようだが、この、投下→戦争の早期終結→死者の減少という三段論法に敢然と立ちむかえないのは、私たち日本人の過去の姿があまりに愚かしいからである。 そう、確かに、彼らの言う通りに、日本の軍部および、政…
せっせとプラスチックを集めている。自治体の回収に回すためである。もっとも自宅があるS区は、プラスチックを全部燃やしてしまうので、職場のある別のS区まで、わざわざ自転車に積んで出している。 別に、エコロジストというわけではない。家庭から出る容…
元気な高齢者は働くべし…。どこかの首相はのたまったらしい。働けるぐらい元気なことは、感謝に値することだろうが、それが賃労働となるとすこし事情が変わってくる。 私も働ける人は働くべきだと思う。だが、それを賃労働に限定する必要はない。家事や育児…
最近の若者は…と言うと飲み屋のおっさんの愚痴のようになってしまいますが、若者論を一つ。 私は仕事が塾講師ということもあり、若者というか子どもと接する機会が多いのですが、子ども相手といっても、そこはサービス業ですので子どももお客の一つだと考え…
例の女優の事件については驚きました。覚せい剤って、相当広がっているのですね。 でも、そもそも「覚醒」という言葉の意味は、迷いや誤りの状態から目が覚めることを言い、大真面目な文章にも結構出てきます。長年の悩みが晴れ、今までとは違った考え方がで…
いやー、驚きました。巨大ビールメーカーの合併話です。いわく、合併した上でさらに競争力を高めたいと…。私が勤務しているような中小零細企業から見れば、はるかに巨大な会社同士が合併してさらに巨大になってどうするの?? というツッコミもしたくなります…
こうして学習塾で、小学生から大学受験生までの勉強をみているとわかるのですが、高校生って、実に勉強ができないですね…。中堅程度の学校に通っていて、学内の成績もまずまずなのに、高2になってもいまだに英検3級に受からなかったり、満足に2次不等式が解…
最近やたらと父の機嫌が悪い。食事のときでもムスッとし、話しかけてもまるで答えない。その姿はまるで思春期の若者のようである。 ちなみに父は齢八十過ぎ。いままで大病することなく元気に過ごしてきたが、ここにきて自らの体の衰えに愕然とし、それで不機…
『官僚たちの夏』がまたぞろドラマ化されていますが、どうにもこうにも、図式が古くて単なる回顧趣味を通り越し、時代錯誤・あるいは自慰行為にすら見えてきます。 戦後日本はこうして追いつけ・追い越せ路線を来たわけですが、当のGMは事実上つぶれてしま…
親が子を、塾に通わせ学力と学歴つけ、場合によっては奨学金を借りて大学に行き、会社に入って、(結婚して何年か後に)ローンを組んで家を買う。定年後は年金をあてにして…。一昔前なら、ひとつのハッピーな人生のコースであろう。 年金の掛け金が集まらな…
ある分野でそれなりに成功した人物が、別の分野に転身しようとする。その場合、すでに十分なステータスがあるわけだから、たとえば国会の一年生議員というのは、あまりかっこがよくない存在と映るようである。 そこで、もっと権限があってエライ立場、たとえ…
この時代に生きる私たちが日々回避できないものの一つが、絶望であるということは、おそらく疑問を挟む余地がないことのように思う。むろん、それは昨今の経済・社会情勢に対しての絶望を指しているのでは、ない。当然私自身の個人的な状況に対しても。 「僕…
都心のターミナル駅は、いつものように混んでいた。JR線の一つは人身事故によって遅れていた。駅員をわざわざ呼びとめた背広姿の酔客は、何か言葉を交わしたかと思うと、彼を口汚く罵って去っていった。 僕は、路上に横たわるホームレスの視線と、アルコー…
この不況の深刻化で日本国内でも、外国人排斥などの動きが出るのではないかという不安の声があるが、杞憂に終わるであろう。とは言っても、別に日本人に寛容とか、人権意識が芽生えたというわけではない。 職を奪い合おうにも、そもそも当の日本に当の工場自…