労働力輸入国

 日本の人口は減少しており、特に労働力人口は将来とりわけ不足する…、と一昔前にはさかんに言われたものである。また団塊の世代の大量退職により、(今ごろは)労働力不足は一段と深刻化し、いずれ大量の外国人労働者を受け入れざるを得ない・・とも言われた(と記憶している)。
 しかし現実にはこの惨憺たる状況である。製造業は海外へ移転し、工業品も農産物も円高とデフレで海外シフトが強まる一方である。そして国内には労働力が余りまくっている。
 農産物・畜産物の輸入に関しては、バーチャルウォーターという指標があって、日本向けの農産物の栽培等にどれだけの水が、国外で消費されているかが分かるようになった(例えば牛丼一杯に水2トンとか)。これを工業品にも適応してみたらどうだろうか。
どのくらいの工業用水を海外で消費しているか? むろん日本は、加工貿易を旨とした貿易立国でもある(あった)ので、輸出も相当数あるだろうが、果たして赤字か黒字か、これは見ものである。
そして、できれば「バーチャルワーカー」も算定してほしい。中国やアジアでどれだけの人たちが、日本向け製品の製造に従事しているかを調べてほしい。おそらく、びっくりするような数の「外国人労働者」をすでに日本は抱えていることが分かるであろう。