2009-01-01から1年間の記事一覧

モノづくり→カネづくり

かつて、モノづくりが国際競争の激化で凋落するのは仕方がないとしても、その分を海外投資や金融取引で儲ければ、なんとかなるはずだという主張があった。その極め付けが、金融工学だったわけである。だが金融工学は失敗した。モノづくりよりカネづくりの方…

10年後の君に残せるもの

この仕事をしていると、一体何を教えるべきなのか、時に迷いが生じます。むろん、塾の使命というか存在意義は、成績を上げることに尽きるわけなのですが、まあ苦労して指導し、勉強させ、多少学力がアップしたところで、この子たちの人生の一体何が開けるの…

巨大福祉国家の破たん

国家と言っても、某国の巨大自動車会社の話です。まあ、いろいろと破たんの原因はあると思います。小型車の生産に消極的だった。環境対策がおろそかだった。トップの異様な高報酬。生産が非効率だった…。 なかでも私が注目するのは、レガシーコストでしょう…

20年ぶりの数学・20年後の社会

ある事情で20年ぶりに高校数学を勉強しています。というのも、勤務先の某学習塾が、断続的な経営危機を迎え、その対策として(名ばかり正社員の)わたくしが、高校数学の担当を拝命したということであります。 とまあ事情はどうあれ、20年ぶりの高校数学は、…

飲み屋の少数意見

わたくし貧乏卿は、とても意地悪な性格の持ち主でもあるので、飲み屋でたまたま隣席して楽しそうに飲んでいる酔客に、あえてとんでもない議論を持ちかけて、相手を怒気と不愉快の極致に追い込むと言うことをたまにします。 その代表が死刑制度の可否なのです…

祭りのあと・・・

定額給付金の支給に始まる、高速1000円乗り放題、家電エコポイントなどのなりふり構わぬ政府のばら撒きも、秋にはひと段落するだろう。いわば、祭りの終わりである。その時、日本経済はどうなっているだろうか。 この不況に懲りた製造業は、工場の海外移転を…

この時代にどうして学校は存在し続けられるのか?

10年ぐらい前でしょうか、「学級崩壊」がいろいろと問題になりました。最近では、「学力低下」や「モンスターペアレント」が話題となっています。どちらも厳しい教育現場を象徴するようなキーワードです。その都度、学校は厳しい目にさらされてきました。 厳…

遅寝・遅起き・朝食抜き

どこかの役所は、早寝・早起き・朝ごはんが、子どもの将来を明るくするなどと喧伝しているようだが、時代錯誤も甚だしいと言わざるを得ない。早寝・早起き・朝ごはんが可能な家庭は今日そもそも少ない。まず母親(たぶん専業)が起きて、朝食(たぶん米飯)…

家がモッタイナイ

家が揺れています。別に比喩的な意味ではありません。近所の団地と小学校(ともに築45年ぐらい)が解体工事に入ったのです。パワーショベルが動くたびに、地盤の弱い私の家は揺れてしまうのです。団地に限らず近所の民家もよく取り壊されてゆき、その数倍の…

ミャンマーのサイクロン禍から一年

グローバル化=悪という図式を取りたくなる今日この頃ですが、アジアにはグローバル化に背をむけている国が、少なくとも二つあります。ひとつは北朝鮮で、もうひとつはビルマつまり軍政のミャンマーです。どちらも軍人がのさばっているあたりは共通項があり…

いっそ国会議員を倍にしたら

日本国政府の借金は、数百兆に達するらしいのですが、こうした議論をするとほとんど反射的に出てくるのが、議員定数の削減の話です。まあ、国会議員ひとりあたりにいったいいくらの経費がかかっているのかは詳しくは知りませんが、その定数を多少減らしたと…

隣は何を食う人ぞ

連休中、中華街に行きました。普段居酒屋でしか外食しないので、店の選択には緊張しました。それに昼の野球観戦でもともと少ない予算の大半を使ってしまいましたので。こういうときの悪夢は、もしも隣の席がフカヒレや北京ダックでこっちがラーメンだったら……

日本は広い…

わたくし貧乏卿は、貧乏なゆえに旅をするにしても、青春18キップを使うことが多い。なにせ東京→大阪=9時間の世界である。日本は広いなあと思う。 各駅停車を乗り継いで旅をする。ローカル線だと次の列車は2時間待ちというのもざらにある。腹が減れば、…

風邪に吹かれて

齢八十になる父親の、風邪を引いたときの口ぐせは、「誰にうつされたかなぁ…」である。元来父は心配性で痛がりなので、37度も熱が出れば朝から布団を敷いて「うーんうーん」と唸り始める次第である。微熱の原因はその辺の菌やウイルスに感染したという類です…

100万人規模のゼネスト

今日はメーデーですが、ストをやっているのは何もヨーロッパの話ではなく、この日本の話です。といっても、ストをやっているというほどの自覚的な行動ではありません。「引きこもり」の話です。今こうしている間にも、全国津々浦々の自分の部屋でたくさんの…

「デフレ時代の勝ち組」考

再びのデフレ到来で、ひとり勝ちしそうなエム印のハンバーガーなのだが、そこの経営者のモットーは、「10人から10円ずつもらうのではなく、100人から1円ずつもらうのがうちのビジネス」だそうだ。一人あたりの利益は少なくし、その分を売り上げの増加で賄う…

最近バスから消えたもの

わたくし貧乏卿は、貧乏ですので、普段の移動には自転車を使います。場合によっては、「運転手つきの大きなクルマ」、つまり路線バスを使うこともあります。(ここらへんは、関西の漫才のネタ風に。) 近所はなかなか狭い道が多く、対向してきたバスとすれ違…

学歴の再生産

というタイトルにすると、親の収入の格差が子の教育の格差を生む…という、いつもの話し(これも否定しがたい深刻な事実です)になりそうですが、今日はあえて、その反対のケースを指摘したいと思います。 つまり、ふんだんにもしくは人並みに教育費をかける…

今さら職業訓練?

明治・大正・昭和と生きた文明批評家の長谷川如是閑は、大の職人好きだったという。煮豆づくり一筋の「煮立て隠元のじいさんと呼ばれた煮豆売りの老人」を英雄視し、また「酔いどれの老ブリキ職人が、ふるえる手に鋏をとって、ブリキ板に煙突を通す穴をクル…

拉致被害者家族に望むもの

拉致は悲劇、というより国家犯罪であろう。かの国を憎むことは容易に推察できる。だが、素直に怒りと悲しみを、そして制裁を訴えることが、実はより悲劇的な結果を招きつつあるとしたら?? その純粋な叫びの先にあるものへの想像力を持って欲しい。 残念なが…

竹槍の足元を思って

アジアの東のある国は、資源も少なく、工業も弱く、それでも軍隊だけが大きくなり、いつも「戦争国家」となっていました。しかしその自慢の軍事力も世界的に見れば貧弱で、戦車や飛行機を動かす油はすでになく、そのころ世界一の軍事大国の兵器と比べれば、…

愛犬家はどこに・・・

ある有名歌手と10歳になるラブラドールレトリバー犬との楽しい日々がつづられた写真つきの大きな記事の下に、「麻酔剤リサイクル」の小見出しが。あまりに不釣り合いな文字の羅列に、視覚がすこし混乱した。ある日の夕刊のペット欄のことだ。(「東京新聞」3…

150年前のワークライフバランス

ワークライフバランスなどという言葉を聞くと、さも新しいことのように思えますが、要は働きすぎ・儲けすぎの生活から、一昔前の生活に戻ることのように思えます。もっとも、一昔と言っても150年!!ぐらいですが。 「19世紀の中葉までの前貸問屋(ヨーロッパ…

フトモモを乾かしながら

子どもの頃は、宇宙に興味があった。図鑑などを読み、自分が大人になるころは、人類は宇宙にもっと飛び出しているだろうと、思っていた。だが、いまだに、人類は宇宙に行けない。多額の予算を使っても、たかが数名を宇宙に滞在させるのが、関の山といったと…

家族のオーバーワーク

不況になり、社会も会社も頼りにならなくなった以上、またぞろ家族の役割が増大している。お父さんも頑張るから、子どもたちもお母さんのことをよく聞いてしっかり勉強しろとばかりに、従来以上に父・母・子という役割が強調されているかのようである。 家族…

中高一貫校異聞

わたくし貧乏卿の実に稼ぎの悪い本業である塾の仕事も、3月には受験も終わり、閑散期を迎えています。というわけで、生徒に誘われるままに、あちこちの学校のイベントに出かけています。この時期は、吹奏楽部・ブラスバンド部の定期演奏会がよくあります。 …

宿願の路(みち)

わたくし貧乏卿は、貧乏ですので、旅をするといっても、たいてい青春18きっぷのお世話になり、ローカル線を中心に、主要幹線であっても普通列車を利用して移動します。また、高速バスもよく使います。奮発して新幹線や飛行機にもたまには乗ります。 普通列車…

水俣にて

先日水俣を訪れました。 九州新幹線開業のため第三セクター化された肥薩おれんじ鉄道の水俣駅は、ひっそりとしていました。駅から貸し自転車で、水俣病資料館を目指しました。資料館は駅から数キロ離れた埋立地の上にあります。 行きがけに、まずはチッソ水…

南九州にて

少ない休暇と乏しい予算を駆使して、南九州に行ってきました。 100%観光ですので、特筆すべき点は何もないのですが、一日目には知覧の特攻平和会館に、二日目には水俣市立水俣病資料館に行ってきました。 展示内容についてのコメントは差し控えますが、前者…

個人消費特別会計

良し悪しは別にして、国の予算に一般会計と特別会計があるように、個人の消費にも、一般支出と特別支出というある種の区分があるのだと思う。一般支出は節約していても、趣味や特別欲しいものにはドーンとお金を使う。消費の二極化は、別に不況である昨今に…