10月26日・水曜

政府の原子力委員会原子力発電のコスト計算をやり直し、深刻な事故の発生確率を延べ稼働時間数万年に一度から、500年に一度に数え直したという。安全だと言い続けていた物を一気に2桁ずらしたことになる。ただ今回の事故の損害を4兆弱と見積もっているが、損害額はもう一桁ずらす必要があるはずである。それらを含めると原子力発電の原価は数円から十数円程度上昇し、火力等との差額はより少なくなるか、または高くなる。会議では色色な計算式が出されたようだが、それにしても、これだけの事故の取り返しのつかなさというものを、算定する方法はあるのだろうか。
一夜にして晩秋となる。今季初めての冬型である。空気は澄み切り一気に寒くなった。午後出社。退社後も直帰す。何だか風が吹き抜ける路地で立って飲む気もしなかったので。星が瞬くあたり空も一息に冬空である。確か、あの日の東北の夜は星が輝く綺麗な夜だったと、幾つもの被災者からの話しで聞かされた。当夜の私は空を観る事は無かったと思う。