誰もが働く正月へ…

 正月の街を歩いた。私の住む都内の住宅地区では、以前はコンビニぐらいしか開いてなかったが、今ではスーパーもドラッグストアも量販店も開いている。私が学生だった時分(といっても10年ほど前である)はコンビニでアルバイトしている友人も何人かいて、元日勤務は+5000円などと喜んでいたものだが、今日ではどうなのだろうか?
正月にどの店も開いてしまったら、正月にわざわざ店を開けているメリットはなくなる。売り上げが普段並みになってしまったら、特別手当も払えなくなるだろう。むしろ〈正月に勤務できない者はやめてもらう…〉くらいの圧力を受けることだってあり得るかもしれない。
それにしても、小売業や流通サービス業はどこまで便利にすれば気が済むのだろうか? 営業日を増やしたところで、消費者の財布の中身や胃袋までもが増えるわけではない。年末や正月明けに購入していた分が、正月に回され、平均化されるだけのことで、総量としてはたいして増えはしないだろう。
誰もが営業しようとすれば、その分収入は下がる。収入が下がれば賃金が下がる。賃金が下がればもっと働かなくてはならなくなる。その悪循環をどこかで断ち切らなくてはならないのだが・・・