ねじれ考

 今、再びのねじれ国会である。まあ、そもそもねじれ国会はそれほど悪いものでもない。もともと参議院良識の府であり、衆議院による多数派の専制を防ぐという意味合いもある。参議院は、選挙区の区割りも都道府県単位だし比例代表制もある。衆議院より民意が穏やかに反映されるというのも、良識を守るためでもある。先日コイズミ旋風が吹き荒れた郵政解散の時も、もしも参議院がなかったらこの国の政治はかなり危なかったと思う。
 ねじれてしまったら、個別の交渉を積み上げていくしかない。連立が無理なら、部分連合なり、閣外協力なり、最悪法案一本ごとの協力を求めていくことになるかもしれない。でもこれは相当骨が折れる作業である。
事実、直近のねじれ国会で当時与党の代表は、持ちかけた大連立構想が頓挫したのち、「かわいそうなぐらい苦労している」とのたまった挙句、結局政権を投げ出してしまった。
55年体制の頃の国対政治とは違い正面きっての議論が必要で、いわばタフ・ネゴシエーターにならなくてはならないのだが、どうも日本人というものはこういう駆け引きが苦手な節がある。
 さあどれぐらい与党の新代表は、頑張れるだろうか??? イライラして投げ出さないことを願うのみである。