6月19日・日曜

第一原発の汚染水処理装置はようやく本格稼働し始めたが、昨日わずか5時間稼働しただけで故障する。放射性物質が予想以上に吸着したことが原因とされるが、なにぶんにも急拵えの非常緊急特別施設なので早く直してうまく動くよう祈るのみである。
一日曇り。時折日が差し、差した分だけ蒸し暑くなる。一方今朝は昨夜飲んだら飲んだ分だけ胃痛になる。幸い津和野から取り寄せた胃薬がまだ残っており、小山ほど飲んで何とか持ちこたえる。津和野の老舗の薬屋のもので二日酔いに良く効く。津和野は森鷗外の故郷でもあり実際鷗外も日露戦争時にこの薬を服用したらしい。だからこの丸薬には文豪が愛用した…という宣伝文句がつくが、鷗外は同時に軍医でもあった。ただ医者としての鷗外はどちらかと云えば藪であるから、文豪であり藪医者でもあった鷗外の愛した丸薬云々と云うのが誠実である。まあどちらにしても良く効くことは確かで、またこういうよい薬があると思うから、予め飲み過ぎてしまうということもある。酒屋と薬屋が結託すればいい商売ができそうである。
夕飯は冷凍物のハンブルグステーキにする。こういうおかずだとさすがにお酒は飲めない。だからお酒を飲まないための一種の食餌療法である。だが結局夜更けにウヰスキーを少少頂いた。