6月9日・木曜

先月分の検針票が来る。前年同月比およそ15%の減で約5000円。初夏の頃は最も電化製品を使わないので、主な削減は電灯とテレビの節電によるものである。トイレに残った100ワット級白熱電球も球切れを待つことなく先月引退させた。電気が売れないのであれば検針員も困り顔であろう。検針員の御婦人方には何の恨みもないが、原子力発電をやめるためにここはひとつ節電発電所を作るぐらいの気合で臨んでいるので、申し訳ないが許してもらうことにする。
早く電力供給を戻して生産と景気の回復をとどこかのエコノミストが述べていたが、辻褄の合わない話である。電気が使い放題だった震災前でも景気が悪かったという事実をきれいに無視しているから、電力業界の関係者と疑った方がいい。省エネと脱原発で大規模な投資を行うべきである。また国際通貨基金の理事が来て、日本の復興を信じていると持ち上げる一方、早く財政再建をと苦言を述べた。結局こちらの方も進駐軍を待たなくては、再建は出来ないのかもしれないなと思う。財政破綻という「大事故」はもう目前である。
一日薄曇り。だんだん蒸し暑くなる。午後出社。すると電力会社集金人が待ち構えており、3月分の電気料金を払わなければ電気を止めると言う。あいにく本日は貧乏学院の無責任社長は不在で、また集金人に事故の苦言を呈したところでどうにもならないから、わずかな預金を下ろして立て替える。払っていない以上は文句も言えまい。午前と午後で見事に攻守の立場が入れ替わってしまった。陽気のせいか子ども連もいつになく理不尽に騒ぎまわって授業は思うように進まず。退社後、気分転換に少し飲みたかったが立ち飲み屋もラーメン屋も今日に限って満員で思うように入れず、諦めて帰る。すると途中で雨が降り出しあっという間にずぶ濡れとなる。這う這うの体で家にたどり着くと、シロの姿が数時間前から見えないという。今日は午後から小不幸の特異日のようで、何だかこのまま猫まで居なくなってしまうような気がしたが、夜半過ぎにケロッとした顔で帰ってきた。