少し前の話

 異業種・異世代の方々と語らいの場(つまり居酒屋でのこと)を持つと、かなりの確率で話題にのぼるのが、「学生の頃」の話です。あの頃はよく飲んだとか、あちこちに行ったとか、みなさん一様に楽しいことを思い出しているような、穏やかな表情になります。
 学生時代がマックスの状態で就職してからは下り坂という、「下降史観」の人生というのも、なんだか情けない気もしないこともないですが、私の人生を振り返っても、学生時代というのは楽しかったし、その楽しかった数年間の経験があるからこそ、その後の人生をどうにかこうにか歩んでいける…ということもあるかもしれません。
 翻って、最近の学生諸子を見ると、授業にはきちんと出席して、スキルアップを目指し、3年生ともなるとすぐにシューカツです。のちに「楽しかった」と振り返られるような学生時代を送れているのでしょうか?
 冒頭のおっさん連中の話ですが、会社員生活の最初の数年間も、実に楽しかったと述べる方も結構いらっしゃいます。仕事は楽だし、お小遣いも増えてたくさん遊べたと…。さすがに私の世代(現在35ですが)で、こういうことはないかなぁ。まだまだ日本経済が上り坂にあった頃の話です。