70年間変化なし!?

伊豆からの帰りのこと、同行者は二人。熱海から都内まで在来線で2時間近くかかることを知ったその内の一人は、とてもそんなに長く乗っていられないと言って、新幹線に乗り換えてしまった。
後日話を聞いたところ、「あんな速い電車はない」と驚いていた。曰く「タバコ一本吸ったらもう小田原で、もう一本吸ったら新横浜だった」と。時刻表を見ると、熱海―新横浜は30分。なるほどタバコ2本分ね…。
新幹線はこだまも含めて270キロ運転。対する在来線は100キロちょっと。勝負にはならないだろうし、その差は新幹線が速くなる分拡大傾向である。
戦前の電化は沼津までだったはずで、試しに手元の『時刻表復刻版・戦前戦中編』(JTB出版)で、昭和15年の号を見てみると、普通列車でも東京―熱海は2時間そこそこで走っている。ということは、在来線は70年たってもたいしたスピードアップはしていないということか。
ちなみにこの時刻表には私鉄も載っている。東横線のところを見ると渋谷発0時30分発の元住吉行きが最終とあるから、終電の時刻なども現在と大差ない。むろん当時は冷房もなく本数もはるかに少ないだろうけど。
新幹線なり航空機なりはどんどん速くて便利になってはいるが、羽田なり、新横浜なり、東京駅を一歩でも出ると、相変わらずの、遅くて、混んでいて、しかも最近ますますダイヤ通りに走らなくなっていて、ますますマナー違反の乗客であふれかえる交通機関に頼るしかない。本当にどうにかならないものか…。