デフレと闘う

 よく生徒にデフレ経済について聞かれます。子どもたちには、デフレは物価が下がることだからよいことだという認識があるようです。でも、物価が下がると給料も下がります。そこでこういう例え話をします。
給料が下がれば、「高級車に乗っていた人が普通車に乗り換え、普通車に乗っていた人が軽自動車に乗り換え、軽自動車の人がスクーターになり、スクーターの人は自転車になる」と。この説明をしても生徒たちは、クルマに乗らないから「デフレはエコじゃん」などといって、まだ賞賛しています。
でも「1000円のランチを食べてた人が600円弁当になり、600円の弁当の人は300円の牛丼になり、牛丼の人は家からおむすび持ってきて、おむすびの人は仕事がなくなって家から出なくなる」と言ってみます。するとここでようやく、飲食店や弁当屋の人が危なくなるという認識が出てきます。
そこで「塾で勉強していた子が通信添削になり、通信添削の子は参考書で勉強し、参考書の子は…」と言うと、さすがに私=塾の先生の身を案じてくれるようになるわけです。そして、デフレスパイラルの説明に入ります。(以下略)
何も無駄使いしろとは言いませんが、いい大人が家から弁当を持ってきたり水筒を持ってきたりすると、周辺の商店・飲食店は干上がってしまいます。経済縮小は、地球にやさしいエコ生活などと悠長なことを言っていられません。なんとかこの負の連鎖を食い止めたいものです。人間あっての地球であり、経済ですから。(私には弁当買うぐらいしかできませんが)