居酒屋(続き)

 先日掲載した「ネット<居酒屋」において、私は半リアル世界である居酒屋の可能性について、いくつか言及しましたが、その後半部分で登場させた若い「君」とは、例のアキバ事件の、K被告を想定して書いたものです。
あの文章は、もし彼が、居酒屋などで語り合う場が、いつかどこかで持てていれば、あのような凶行に至ることはなかったのではないか…と、私なりに想像して書いたものでした。
2009年元日版の毎日新聞は、その彼も、故郷青森で知り合った仲間と酒を飲み、時に心境を明らかにする機会を持っていたということを明らかにしています。
私としては、そのような機会が彼にあったことは、ひとまずは、喜ばしく思えます。つまり彼は、リアル社会において、完全に隔絶・孤立した存在ではなかったし、また、ついにそのような存在には、なりえなかったということを示していますから。
と同時に、居酒屋での会話が、その暴走をとどめえなかったという点では、残念でなりません。