3月21日・月曜・春分の日

 朝から冷たい雨だが今日も計画停電はないとのこと。東北や関東の野菜から若干の放射能が検出された。人体には影響はないと言うが、原発事故がなければそもそもないものなので、人々の購買意欲はこの段階でゼロとなってしまう。これで日本のコメを海外に売り込むという計画もご破算だろう。信頼の回復には何年もかかる。その意味で、原発の事故はもはや大災害と化している。
 三陸沿岸の漁業も壊滅状態で、もともと所得がそう多くない地域である。生活再建は至難の技である。高齢化した世帯などそのまま福祉生活者に直行となるかもしれない。これから一体どれだけの予算がかかるか…。数十兆という規模になるだろう。増税はやむを得ないが、長引く不況でまたまた経済が縮小してしまう危険が高い。まさに全国規模の災害である。
 ネット上から日赤にクレジットカードで1万円の寄付を申し込む。金額は2000円以上の任意になっているので、万が一にもケタ数を間違えないように、ここは慎重に画面を何度も見直しする。
 そういえばあの辺には何度か行ったことがある。一番近くて3年前の夏、一ノ関から気仙沼に入って以後太平洋岸に沿って八戸まで北上した。至る所に頑丈な水門や防潮堤がそびえていて頼もしく思ったものだが、全て乗り越えられてしまったというから、今回の津波は想像を絶する。気仙沼で一泊し地元の鮨店で親切にしてもらったが、あのお店と大将は大丈夫だろうか…。
 夕飯には近所の魚屋から福島産のカワハギの刺身を買う。魚は出荷自粛リストに入っていなかったが、売れ残ることは間違いない。別に福島の漁民に責任はない。世田谷の魚屋にも。当然カワハギにも。自らの責任が及ばないところで起きた事態を一般的には災害と言う。