4月14日・木曜

 首相の発言が問題となっている。内閣の参与との会談で原発周辺の住民は集団移住の必要があると述べたとされて批判されている。放射能の計測もまだなのに、勝手に移転とは何事だというわけである。もっともな話だがこの参与は元は評論家で、首相にドイツの農村のようなエコタウンを内陸部に建設するように勧めたらしい。なんだか外国の農村をモデルにするあたり、想像力の低下を示しているようでかえって気にかかる。ヨーロッパの農村と言うことで見栄えはするだろうが、別に観光ランドを作るわけではない。
 与党内からも首相の指導力を疑う声が上がっているようだが、この緊急事態にあたっては、誰がやったところで文句の一つや二つも出るだろう。倒閣運動がさらなる政治的空白を生んだらどういうことになるのか…、ここにも想像力の貧困がある。
 日々、原発に残された核燃料の温度が報告される。燃料プールの温度が何度上がったとか下がったとか…。安定には数カ月だとか数年だとか…。人間が作ったものであってもやはり人知にはおえない。こういうものはやはりつくってはならなかったのである。